不動産の購入は先着順
不動産売買の仕組みは、買う側にとってもなかなか分かりにくいものです。
例えば、次のようなことがよくあります。
お金を多く払っても買えない
「不動産屋さん、このマンションつて、まだ売っていますか?」
「はい、今お調べいたしますので、少々お待ちください。あ、まだ売り出し中のようですね」
「よかった!この近辺でルーフバルコニーつきの最上階のマンションをずっと探していたんです。価格も予算内だし、ぜひ買わせてください」
「分かりました。では早速、購入申し込みをしましょう。あれ、お客様、たった今、他の方が先に購入申し込みをしてしまったみたいです」
「そうなんですか?でも、どうしても欲しいんです。この売り出し価格より50万円多く支払ってもいいので、私に売ってくれないか鬨いてみてください」
「うーん、それが不動産業界のルールでは、購入申し込みは先着順が慣例なんです。前に申し込んだお客さんがキャンセルするのを期待するしかないですね」
「そんなぁー!」
そうです。現状、不動産の購入は、多くのお金を出した人が必ず購入できるというものではなく、先に手を挙げた人が優先権を持つことがほとんどです。実際には、交渉によって優先権を譲ってもらうことも行われているようですが、それでも先方が交渉にのってくれなければそれまでです。
しかし、このシステムは、売り主にとってデメリットになることがあります。それは例えば、次のような場合です。
まさか、もっと高く売れた?
「不動産屋さん、このマンション、親の遺産を相続する形で私のものになったものなのですが、相続税を支払わないといけないので早急に売却したいんですよね。どうしたらいいですか?」
「早く売りたいんですか?では、相場だと3000万円のマンションですが、思いきつて2880万円で売りに出してみましよう」
「よく分からないけど、よろしくお願いします」
翌日。
「お客様、広告を出したところ、即日、購人申し込みがありました。2880万円で価格交渉なしで購入するそうです。契約しますか?」
「もちろん、契約します」
さらに翌日。
「お客様、広告を取り下げようとしたところ、他に2人の方からも購入したいとの問い合わせがありました。でも、もう最初の方と契約を進めているので断りますね」
「えっ、そんなに大気なんですか。じやあ、ひよっとしてもうちよっと高く売ることができたんじやないですか?」
このようなケースの場合、誰でも「損をしたのではないか」と考えてしまうことでしょう。というのも、このケースで現れた3人の買い手の中に、価格が2880万円以上であっても買いたいと考える人がいる可能性があるからです。しかし、実際には、最初に2880万円と価格を設定してしまったがために、2880万円でしか売ることができませんでした。
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