高値で売却しようとするとどうなるの?
不動産を高値で売り出すとどうなるのか
時間をかければ高く売れるというのは、高い価格で買ってもよいと考える買い主が現れる可能性があるからです。しかし、次のようなヶ-スになることも、ないわけではありません。
「新築マンションを雌人したので、今住んでいるマンションを売却したいんです。新しいマンションの完成は1年後なので、売却期問は1年問あります。時問があるので、多少、相場より高い価格で売り出して様子を見たいんですけど、いいですか?」
「構わないですけど、一体いくらで売り出したいんですか?相場価格は3500万円ですよ」
「3800万円で売れたらいいと考えています」
「……そうですか。ではその価格で売り山してみましよう」
1ヵ月後。
「お客様、やはり問い合わせが少ないですね。同じマンションの別の部屋が、他の業者から3500万円で売りに出ているんです。同じマンションですから、差
別化がしにくいんです」
「そうですか。でももう少し様子を見てください」
3ヵ月後。
「お客様、申し訳ありませんが、売れる気配がありません。3700万円に値下げしたほうがよろしいのではないでしょうか」
「仕方ありませんね。では、そうしてください」
さらに3ヵ月後。
「部屋を見たいという方はたくさん来てくれるのですが、やはり価格が高いので決めかねているみたいですね。思いきつてもう少し値下げしてみてはいかがですか?」
「あまり気が進みませんが、それでは3600万円にしてください。でも、これ以上は下げませんからね」
さらに3ヵ月後。
「反響は少なくないのですが、なかなか購入申し込みかおりませんね。いかがいたしましょう?」
「毎週末に部屋を掃除して内見のお客様のために準備をするのも、もう、疲れてきました。3500万円でいいから早く売ってください」
さらに1ヵ月後。
「3450万で員いたいというお客様がいるのですが、どうしましようか?」
「それでいいです。新しいマンションも完成してしまうので、早く契約してください」
このケースから分かるように、1戸建てやマンションには「なかなか売れない」というリスクが常に付いて回ります。これを専門用語では流動性リスクと呼びます。不動産は何千万円という超高額商品であるだけに、売りたい人と買いたい人とのマッチングがしづらく、簡単に売ることができません。市場の流動性が低いために、株や金(ゴールド)に比べてすぐにお金に換えることが難しい資産なのです。
そのため、不動産の買い取りをして換金を行う、不動産売買業者の需要があります。ただし、業者に売却する場合は、業者が流動性リスクを代わりに負うことになるため、エンドユーザーに売却する場合の市場価格よりも安くなってしまいます。これは、安くなった分の金額で時問を買ったものと考えてください。
1ヵ月以内に売らなければならない場合と、売却までに1年以上かかってもいい場合とでは、後者のほうが高額で売れる可能性が高くなります。なぜならば1年以上かければ、多少高くてもその物件を欲しいという人が現れるかもしれないからです。
逆に、1年後のほうが安くなってしまう可能性もあります。景気が悪化して不動産市場そのものの相場が下がってしまい、近辺に多くの売り物件が出てしまえば、どうしても価格を下げざるを得なくなるからです。
このように、家の売却とは難しいものなのです。
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